科学する角煮──ホットクックdeロジカル料理術




ROKOHOUSEは合理的でロジカルな方法論を好む。

ところで、ここでいう合理的というのはどのような意味だろうか?

僕が思うに、広義における合理的という言葉にはたいした意味がない。

「理にかなっていること」とかそういう意味においていえば、「個別株は楽しい。だから個別株を買うことは合理的だ。」というようにほとんど全ての行動に「合理的な」理屈をつけることは可能である。

また、例えば自動車を世の中から増やすべきか減らすべきかというような問題を考えるとすれば、「人が死ぬから減らすべき」「便利だから増やすべき」「排気ガスが出るから減らすべき」「経済が活性化するから増やすべき」というように、全ての結論は「合理的」になってしまってこれでは言葉として何の力も持たない。

そこで、もう少し合理的という言葉の定義を限定して、僕のイメージするものに近づけてみたい。

ここでいう合理性とは、宗教的または慣習的な儀式、迷信や思い込みなどによる無駄を排除して効率(コスパ)を高めることである。

重要なのは、ここでいう合理性とは足し算ではなく引き算の論理だということと、目的は質ではなく効率であるという2点だ。

掃除をすれば部屋が綺麗になってハッピーだね!というのは合理的でない。掃除という慣習を省き(またはアウトソーシングするなどし)、労働時間を減らすことによってあなたの時間を効率的に使えるようにすることのみが合理的なのである。

合理的であるということは、およそ怠惰であることだといってしまってもよい。

プロフェッショナリズムとの対立

合理性という概念はいわゆる職人芸などのプロフェッショナリズムと対立する。

彼らは往々にしてコスパを無視してクオリティの最大化のみを追求して効率を軽視するからだ。

高いギターと安いギターの音色の違いなんてほとんどの人には区別がつかないが、そういうところに異常なこだわりをみせてコストをかけたがるのがプロフェッショナルな人々である。

もちろん、それを仕事にしている以上はある程度のクオリティを追求していくのは当然だと思うかもしれないが、こうしたこだわりは権威化しやすいという特徴がある。

寿司職人は下働きから何年もかけて寿司を握る技術を学ぶことになっているらしいが、こうしたことが本当に質の高いものをたくさんの人に届ける需給バランスの最適化に貢献しているのだろうか?

質の高さを客観的に測定するにはブラインド(目隠し)テストをしたときに、自分がどれだけの差を感じることができるか考えてみると良い。

食べ物の美味しさというのは先入観によるところが実は大きい(例えば炭酸飲料ファンタの各味には香りの違いしかない)ので、実際にやってみると大差だと感じていたものにもあまり大きな差がないことがわかるだろう。

ガキの使いの「きき◯◯シリーズ」での正答率の低さからも分かる通り、人間には小さな味の差なんてほとんど知覚できないのである。

100人に1人だけわかるような味の違いに、そこまでのコストをかける意味があるだろうか?

人間はかすかな味の違いよりも、香りとか、盛り付けとか、誰と食べているかとか、お店の雰囲気などに強く影響される。

自動調理鍋、ホットクック

少し前に僕が購入して愛用している自動調理鍋を紹介したい。

実はこれよりも新しい型も発売されているが、値段が一気に跳ね上がる。

こんなとき、瞬時に僕たちがこの鍋に求めているものがなんなのか、その効用を値段で割り算してみせるコスパの精神性こそがROKOHOUSE的な合理性だ。

僕は安い方でも十分であると判断したが、より高機能や大きなサイズを求める人には後者も選択肢だろう。

この鍋は無水調理鍋といって、水をいれなくても野菜などの水分で調理ができるもので、煮込み料理以外にも炒め物などの料理も作ることができる。

この万能鍋をつかって、合理的な角煮の調理法について議論していきたいと思う。

最短でおいしい角煮を作るための手順を議論していくとしよう。

角煮の公式レシピ

まずは角煮をホットクックで作るための公式レシピをみてみよう。

レシピ

手順

これが公式の手順だ。

僕もこれを最初に試して美味しい角煮ができたが、思ったよりも調理が面倒くさかった。

ホットクックでの調理が2回に分かれており、油抜きをした水を捨てる過程などがダルい。

しかもシンクが油っぽくなるので掃除も大変だ。

ロジカル角煮術のはじまりである。

試行錯誤と実験

僕は最短の手順を考案するために、何回か条件を変えてテストを行った。

試行回数 公式レシピとの差分 成果物と問題点
1回目 そのまま おいしいがめんどくさい
2回目 ロース肉を使用

大根を投入

油抜きを省略

しょうゆ大さじ6

ネギなし

楽だが味が薄い

ロース肉でも柔らかくできるがやはりバラ肉が美味い

大根の水分を甘くみていた

3回目 しょうが抜き

ネギを投入

油抜きを省略

しょうゆ大さじ7

しょうが抜きでにんにくのみでも美味しい

かなり濃い目の味付けで僕好み

油抜きしなくても問題なし

ホットクックのいいところは、毎回同じ熱で、同じ時間の調理を行うことによって調理のクオリティを均質化できる点にある。

毎回調理法が同じなのであれば、結果の差分は使った具材や調味料からしか生まれない。

つまり対照実験を容易にするのである。

上記の実験から得られた結論は以下である。

  • 油抜きの工程は大した差にならないし、大量の油はどうせ冷やした時にラード化されて捨てることになるので省いて問題ない。
  • しょうゆの量は公式では大さじ4となっているが大さじ7くらいまではお好みで調整可能。大根などの水分量の多い野菜を同時投入する場合は大さじ9くらいが適正かもしれない。
  • にんにくとしょうがはどちらか片方だけでも十分美味しいものがつくれるので好みで良い。
  • ネギの青い部分をいれる儀式も別にいらない。いれたければいれる程度でいいだろう。

ROKOHOUSE流 ロジカル角煮術

結論となる材料と手順。

材料

  • 豚バラ肉(かたまり)800g前後
  • しょうが or にんにく 1かけ
  • 白ネギの青い部分(別にいれなくても良い)
  • 水 200mL
  • 酒 100mL
  • 砂糖 大さじ4
  • しょうゆ お好みで大さじ4~7(他の野菜を入れる場合は水分量に応じてもっとたくさん)

手順

具材をそれぞれ写真のように切って、まとめて鍋にいれる(10分)。

写真はネギも入ってるけど別にいらない。

水、酒、砂糖、しょうゆを定められた文量だけいれる。しょうゆの量で好みの濃さに調整しよう。

ホットクックで手動→煮物1-2→80分→スタートの順に選択。

80分のカウントがはじまるまでに数十分かかるっぽいので煮込み時間は実際にはもう少しかかる。

調理終了したら完成。このまま食べてももちろんいいが、余った分などはジップロック等で冷蔵保存がオススメ。

冷やすと上部の油が固まり、ラードとして炒飯などに利用できるがいらなければキッチンペーパーなどに包んで捨てればオーケー。

こうして油を固めてから捨てることで、シンクが油まみれになるのも防げて片付けが楽になる。

1週間くらいは余裕でもつので、好きな時にレンチンして食べることができる。

下図は2日目の角煮。

肩ロースでもかなりやわらかくホロホロな角煮ができるけど、やはりどこか味気ないのでバラ肉がオススメ。

バラ肉は脂肪部分はプルプルで柔らかく、肉の部分は食べごたえのある仕上がりになる。

洗い物もホットクックの鍋とジップロックの容器、あとは食べる時の皿以外には発生しないし、余計な手間がかからない。

余計な儀式はすべて省き、醤油の量などの味の決め手のなる急所では手を抜かずにきちんと分量を測るようにしよう。

毎回微妙に醤油の量を変えることによって、自分にとって完璧なラインを見極めるのだ。

手法の定量化は、次回以降のよりよい成果に繋がる。

最後にもう一度、ホットクックをオススメしておこう。

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3 件のコメント

    • さっそくググってみましたが、めちゃくちゃ面白そうな本ですね!!
      まさに僕が好きそうな本だなと思ってポチる手前までいきましたが、外国人が書いた本だと実際に紹介されてるレシピとかは馴染みのないものばかりでイマイチだろうなという気がして悩んでますw
      紹介ありがとうございます。

      • ご指摘の通り、日本には馴染みの無いハーブなどがしばしば出てきます。あとはお菓子の比率が高いので、日々の料理の参考というよりは理系寄りの読み物ですね。
        完本壇流クッキングは旅行記&レシピのバランスが良くて、参考になる料理本でした。
        ご参考まで。

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