ROKOHOUSE式 可変レバレッジド・ポートフォリオ




みなさんに素晴らしいリターンをもたらすと思われるポートフォリオを紹介します。

これまで僕は、投資先の選定が重要なのではなく、適切に分散投資さえされていれば投資のリターンとはほとんど投資期間と投資額で決まってしまい、これこそが重要なのだと主張してきました。

このポートフォリオはこの思想がベースとなっています。

はじめに

このポートフォリオでは頻繁なリバランスを必要とするため、まったくの初心者向けではありません。

もしレバレッジETFを利用することに不安があったり、リバランスがめんどくさいという方にはこれまで通り、シーゲル流ポートフォリオをオススメしたいと思います。

シーゲル流、日本人向けポートフォリオ

2017.02.20

とはいえ、タイミング売買などをする必要性は一切ありませんし、一旦ポートフォリオを構築してしまえば、あとやることは四半期、または半年に1度行うリバランスのみですので難しくはありません。

ただし、リバランスにより売買回数が増えるので、資産の絶対額がまだ少ない方にはあまり向かないという側面もあるかもしれませんね。

当ポートフォリオでは、3つのETFを用います。SPXL、TMF、BNDです。

Direxion SPXL 徹底分析 アメリカS&P500の3倍の投資効果を実現するレバレッジ3倍ETF

2017.11.22

Direxion TMF 徹底分析 米20年超長期国債に3倍のレバレッジをかけたETF

2017.12.05

バンガード BND 徹底分析 低コストで米債権クラスに投資できる定番ETF

2017.11.30

SPXLはS&P500に3倍のレバレッジをかけたETF、TMFは20年超の長期債に3倍のレバレッジをかけたETF、BNDは比較的信用度の高い債券を集めたレバレッジのかかっていないETFです。

レバレッジETFの特性についてはこちらの記事を読んでおいてください。

レバレッジETFは、本質的には逆ドルコスト平均法である

2017.10.25

3つのETFの役割

このポートフォリオの最大のリターンの源泉はSPXLです。

TMFはSPXLへのヘッジとして機能し、また少しのリターンを押し上げます。

つまり、SPXLとTMFはセットで機能しており、この2つのETFの比率を保つことが重要となります。

残りのBNDは2008年の金融危機を参照しても下落幅が非常に小さかったことで知られており、ポートフォリオの守護神としての役割を果たします。

同じ債券ということでTMFとBNDを似ているものだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これらは全く別の働きをしており、TMFはむしろボラティリティが高いが負の相関を生かしてSPXLを積極的にヘッジするのに対して、単体としても優秀なシャープレシオと低いボラティリティを誇るBNDは一定の資産を保全することによってどんなときもポートフォリオの下落幅を一定幅にとどめ、両レバレッジETFがその性質上資産価値を大幅に減らしたときもリバランスによって再びポートフォリオを機能させることができるようになります。

SPXLとTMFについてのより深い議論については、こちらの記事をご覧ください。

金融工学を駆使したポートフォリオを紹介する(SPY-TLT、SPXL-TMF)

2017.12.06

またこれまでROKOHOUSEを読んでこられた方は、有望とされるヘルスケアセクターに3倍のレバレッジをかけたCURE等が採用されてないのは何故かと疑問に思われるかもしれません。

Direxion CURE 徹底分析 期待大のヘルスケアセクターに投資できるレバレッジ3倍ETF

2017.10.28

今回のポートフォリオでCUREではなくSPXLを採用した最大の理由は、個別セクターのリスクがTMFでヘッジ可能であるかについて疑問であったからです。

リスクさえうまくコントロールされていれば、市場平均のリターンについてレバレッジをかけるだけで市場平均よりも高いリターンをあげることが十分可能です。

とはいえ、ほぼ全てのセクターの値動きも市場平均と大きな正の相関がありますから、一部CUREを取り入れても別にいいのですが、ポートフォリオが煩雑になるとリバランスのコストもあがり、管理が余計大変になります。

ということで、3種類のETFのみを用いたシンプルなポートフォリオに仕上げたというわけです。

リスク許容度別、ポートフォリオ

このポートフォリオは、「可変レバレッジド」と名付けられている通り、どれだけレバレッジを効かせるかをコントロールすることができるところに特徴があります。

つまり、運用者のリスク許容度に合わせて、そのリスクに限定した上で最大限のリターンを狙うことができるということです。

これからリスク小、リスク中、リスク大それぞれ3種類のポートフォリオをご紹介しますが、それぞれETFの比率が異なります。

比率の差は小さなものに見えるかもしれませんが、リスク、リターンの大きさには大きな差があるので慎重に選ばれてください。

それぞれのデータは使用している3つのETFの歴史で最大の期間からのもので、2009年5月から2017年11月までのデータです(TMFが2009/4/16に設置されたため)。

同期間の米国の市場平均であるVTIと比較しています。

リスク許容度:小

VTI ポートフォリオ
年率リターン 16.35% 20.07%
リスク 12.54% 10.81%
最大ドローダウン -17.58% -10.33%
シャープレシオ 1.27 1.75

リスク許容度:中

VTI ポートフォリオ
年率リターン 16.35% 23.18%
リスク 12.54% 12.55%
最大ドローダウン -17.58% -12.26%
シャープレシオ 1.27 1.73

リスク許容度:大

VTI ポートフォリオ
年率リターン 16.35% 26.31%
リスク 12.54% 14.31%
最大ドローダウン -17.58% -14.16%
シャープレシオ 1.27 1.71

ポートフォリオの解説

さて、数値が読める方はVTI100%のポートフォリオとの効率の差にびっくりされた方も多いのではないでしょうか。

これが分散投資によるフリーランチにレバレッジをかけたときに生じる魔法、あるいは金融工学の破壊力です。

分散投資という魔法(入門編)

2017.10.02

分散投資という魔法(フリーランチ編)

2017.10.03

最大ドローダウン(一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率)はどのリスク許容度においてもVTIよりも優れていたことがわかりますが、リスク(標準偏差)でいうとリスク中のポートフォリオがVTIと同程度のリスクとなっていますので、これを基準にして選んでいただければいいかと思います。

もうちょっと視覚的に、リスク低のポートフォリオがどれだけリターンのブレ幅を平準化するかお見せしましょう。

VTIの各年のリターン

リスク低のポートフォリオの各年のリターン

いかがでしょう。

2015年を除いて、毎年安定したリターンが生み出されていることがわかると思います。

レバレッジETFはまだ歴史が浅く、2008年のデータが見れないのは残念なところですが、僕がSPYとTLTを元に試算した計算では、2008年の下落幅もVTI100%のポートフォリオよりも低かったと思われます。

2008年について詳細なシミュレーションを行いましたのでこちらの記事もご覧ください。

2008年サブプライム・ショックを再現する(可変レバレッジド・ポートフォリオ)

2017.12.19

新たに、2002 – 2009年のシミュレーションも追加しました。

2002年~2009年を再現する(可変レバレッジド・ポートフォリオ)

2017.12.23

リバランスについて

このポートフォリオの最大のポイントはリバランスです。

なぜなら、SPXLとTMFの適切な割合こそが高いシャープレシオの源泉となっており、あるべきバランスから乖離するたびにパフォーマンスを落とすことになります。

しかし、リバランスを頻繁にしすぎるのも手数料を過剰に支払うことになりますし、よくありません。

前の章で示したデータは、3ヶ月に1度のリバランスを前提としていますが、これだと手数料が高すぎるという場合は半年に1度のリバランスでも十分なシャープレシオを保つことができると考えています。

可変レバレッジド・ポートフォリオのリバランスについて議論する

2017.12.28

SPXL、TMFは一度下落するとレバレッジETFの特性上、元の価格に戻すのが大変となることもあるので、BNDで保全した額を両ETFにリバランスすることが市場の下落時には大切な役割を果たすことになりますので、リバランスは厳密なルールの元、必ず行うようにしてください。

リスクというものを考える

僕はこのポートフォリオは疑う余地なく優秀だと考えていますが、リスクとはなんだろうということは、読者の皆さんにはよく考えて欲しいと思います。

金融用語の「リスク」は不確実性を意味し、通常はある期間におけるリターンの標準偏差を意味することが多いです。

しかし、過去のある一定期間におけるリターンのバラツキが、本当に僕らの恐れている意味での「リスク」なのでしょうか。

歴史というのは、それまではなかった出来事の連続で紡ぎ出されてきた何かです。

今回のデータでお見せしたのは2009年から2017年のデータでしたが、同じような条件における世界が続き限りにおいて、このポートフォリオは低いリスクで高いリターンを生み続けるでしょう。

でも、そんな想定可能な「リスク」というのはすでにリスクですらなく、その外側にある真のリスク(例えば核戦争)を考えるのであれば、やはり資産はいろいろな国に分散すべきだし、本当のリスクは数値で示されるものよりも大きい何かなのだと考えておくべきだと思っています。

今回のポートフォリオは利用可能なETFの事情上、米株100%となっていますが、僕はこのポートフォリオの外側にVWOやVEAなどを保有するようにしていますし、日本債券もいくらか持つようにしています。

数値上の「リスク」を過信することなく、このポートフォリオを皆さんのより良い未来を形成するために役立てていただければと思います。

可変レバレッジド・ポートフォリオの思想

2017.12.11

可変レバレッジド・ポートフォリオが優秀なもう一つの理由

2017.12.16
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5 件のコメント

  • はじめまして。
    可変レバレッジド・ポートフォリオ、興味深く拝見させて頂きました。
    優れたリターンを生み出す方法のようですね。
    1つ気になったのが、売買手数料や税金といったコストを加味した実質リターンがいくらなのか?というところです。
    この手のテクニカルな投資法では、売買手数料・税金負けをするものがよくあるので、その辺りについての結果がどうであるか教えて頂ければ、もっと有効性の高い投資法であることが分かるかと思います。

    インデックス投資で億万長者 AKI
    http://akipop2013.blog.fc2.com/

  • 売買手数料や税金について

    これについてはまた記事を書きたいところですが、ざっと言うと3ヶ月に1回(または半年に1回)リバランスを行うのでそれぞれのETFを1回ずつ売買します。
    この時の最大コスト(乖離幅次第ではリバランス不要な場合やもっとコストが安くなる場合もありますが)は1回の売買につき21.6ドルほど(SBI証券の場合)なので、もっともかかるケースで64.8ドルです。
    これが4回ですので195ドル、まあ少し多めにみるとしても最大でリバランスのコストは年間2万5千円ほどではないでしょうか。
    運用額500万にとっての0.5%、1000万円にとっての0.25%にあたります。
    運用額が少なめの方であれば半年に1回リバランスにしたほうが良いかもしれません。

  • 売買手数料の他にETFの管理報酬もあるのでもう少しかかると思います。
    半分がレバレッジETFなので0.5%ぐらいですかね

  • 信託報酬についてはシミュレーション上の価格推移に含まれてますので、あくまでシミュレーション外のコストを書いたつもりでした。

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