人はなぜ小勝で有頂天となり、やがて大敗し退場していくのか?




俺はパチンコで勝ってるって自称する人、やたら多いと思いませんか?

客がパチンコを打てば打つほどお店は儲かるのですから、当然トータルでは客は損をするわけですよね。どういうことなのでしょうか?

パチンコで自称勝ってる人が多いのは何故か

単にプライドのために嘘をついているということも多々あるでしょうが、これが仮に嘘でないとしても、合理的な理由を2つほどあげることができます。

1つ目は、勝ってる人ほどパチンコの話をしたがる、という母集団を決める上でのバイアスの問題です。100人中20人しか勝ってる人がいないとしても、負けてる80人のうち10人しかパチンコの話をしたがらなかったら、20対10でパチンコで勝ってる人のほうが多く見えても不思議ではないですよね。

これは直感的にもすぐわかると思います。

2つ目は、人はお金が儲かるかどうかよりも、お金が1円でもプラスになったかマイナスになったかを重視する傾向にあるということです。

マーチンゲール法とは

カジノなどで使われる戦法ですが、マーチンゲール法というものがあります。

まず1円を賭けて勝負したとします。勝ったらそれで終わりにして勝ちを確定し、負けたら倍の2円を賭けてまた勝負をします。勝ったら勝ちを確定、負けたらまた倍の4円を賭けて勝負・・・・・というふうに、延々と負けたら掛け金を倍にしていく方法です。

これ、ものすごく勝率自体は高いんですよね。

勝ってもらえるお金はたったの1円ですが、負け続けたときの損失額を無限に拡大させている代わりに極限まで勝率を高めています。

実は、これと同じ原理がパチンコや株、為替などの取引でも、半ばデイトレーダー等の無意識下に働いているという話です。

パチンコが好きな人たちの口癖で、

「そろそろ今日はやめどきかな」

ってやつ、聞いたことありません?

これは勝ちを確定させるときの決め台詞で、彼らは負けてるとずっと打ち続けますが運良く勝った時はどこかで「やめどき」を悟り、換金所へと向かう習性があります。常識的に考えれば、やめどきは最初に台に座った瞬間に訪れているはずなのですが。

ここで行われてることはマーチンゲール法と同じ帰結をもたらします。こうして「勝ち」を積み上げながら、自分はトータルで勝っているのだと認知を歪めていくというわけです。

為替や株でも一緒です。

大体の短期売買者は、勝ちポジションは細かく確定し(ここで余計な税金を先に払い)、負けポジションはプラスに転じるまで持ち続けます。面白いことに、株の場合には銘柄毎にこの心理が働いて、「おれの取引は間違いではなかった!」という小さなプライドを一つでも多く守ろうとするわけです。勝ちポジションを確定してるうちは上機嫌かつ饒舌ですが、やがて負けポジションの損失額が膨らみ始め、退場へと追い込まれるという仕組みです。

勝ちを積み重ねて「コツ」をつかんだはずの短期売買者がいつの間にか自慢げに語るのをやめてしまう現象にはこうした必然性があります。

行動経済学とプロスペクト理論

人間の不合理性を研究で明らかにしたのが、プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンでした。彼の研究によれば、税金の不利があるにも関わらず、人が勝ちポジションを精算する選好度は負けポジションのそれよりも50%も高くなっています

経済学という学問は、人間は合理的な行動をするという前提が大いに取り入れられていますが、カーネマンらの行動経済学では人はもっと不合理な生き物だという研究結果が山ほど出てきています。

せっかくなので、以前好きでよく読んだ本でダン・アリエリーの「予想通りに不合理」という本があるので紹介しておきます。投資がテーマの本ではないですが、マーケティング上で使える人間の認知に関わる話などもたくさんあって面白いですよ。

僕が持ってるのは、表紙がもっと古いデザインで、これよりもずいぶん高かったのでお得になってますね。

こういう話をしっておくと、ついつい何かの株が上がって売りたくなったときに、理性でブレーキをかけることができます。自分の売買ルールでは、何を犠牲にして何を得ようとしているのか、常に自覚的であり続けるように心がけましょう。

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30代元システムエンジニア。 日本では経営学、アメリカで経済学や統計学などのビジネスを専攻。 趣味は株式投資からゲーム、音楽まで幅広く。 リンクフリーです、ご自由にどうぞ。