レバレッジETFは、本質的には逆ドルコスト平均法である




レバレッジETFについては、これまでいくつか記事を書いてきましたが、大事なテーマのひとつだと思っています。

レバレッジETFを考える

2017.07.11

シーゲル教授の推奨株式比率においても、リスク性向が高く運用期間が長い人であれば比率が100%を超えているため、これを実現するためにはレバレッジETFは選択肢となり得ます。

リスク許容度 保有期間
1年 5年 10年 30年
最小リスク 9% 22% 39% 71%
保守派 25% 39% 60% 90%
リスク容認派 50% 62% 88% 116%
リスク選好派 75% 79% 110% 140%

ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版 より(小数点以下四捨五入)

本日は、レバレッジETFの仕組みをより深く理解して、その有効性を確認していきましょう。

レバレッジETFは毎日リバランスをしている?

レバレッジ2倍のファンドは、純資産額の2倍の先物を保有して運用を行っています。

仮に日経平均に連動するレバレッジETFだとしましょう。

例えば、ファンドの純資産額が100だとしたら、日経平均先物を200購入することによって、日経平均の2倍の動きを実現しているんですね。

購入直後の状態

純資産 日経先物
100 200

さて、ここで日経平均が10%上がったとしましょう。

先物の価値は220まであがりました。先物の買い付け価格は200ですから、20だけ得して純資産が20増えます。

1日目終了後の状態(日経平均が10%の値上がり)

純資産 日経先物
120 220

1日目が終わった後の資産を見てみると、純資産120に対して先物が220と、先物の保有額が純資産の2倍になっていませんね。

2日目にも日経平均の2倍と同じ運用成績をあげるためには、先物を20買い足して純資産の2倍まで引き上げる必要があります。

逆に日経平均が下落すると次のようになります。

1日目終了後の状態(日経平均が10%の値下がり)

純資産 先物
80 180

今度は先物が多くなりすぎるので、先物を20売ってレバレッジ比率を調整することになります。

つまり、レバレッジETFの内部の運用では毎日リバランスが行われることになります。

レバレッジETFの特徴は、株価が値上がりをした場合には買い足し、株価が下がった場合には売りをいれるというところです。

結果的には上がったときはもっと上がるのを期待し、下がった時にはもっと下がるのを警戒するという意味で、これは順張りと同じ原理です。

順張りのレバETF、逆張りのドルコスト平均法

順張りのレバレッジETFにとって、損をするようなチャートというのは上下運動の繰り返しです。

チャートが上がりっぱなし、または下がりっぱなしのときは相対的に得ですが、仮に元の指標が上下した後に±0の地点に戻ったとしても損を出してしまうことがあります。

実はこれ、ドルコスト平均法と真逆の原理が働いているんですね。

ドルコスト平均法の特徴は、株価が上がったら買い付け数が減り、株価が下がったら買い付け数を増やすことで平均買い付け価格を下げるという投資法でした。

つまり原理的に言って、レバレッジETFは順張りドルコスト平均法は逆張りと整理することができます。

ドルコスト平均法についての一般的な認識が誤っていることは以前にも当サイトでは説明してきました。

時間分散を再定義する

2017.09.29

ドルコスト平均法はグラフが上下を繰り返した場合は得をするが、上がり続けた場合や下がり続けた場合は相対的に損をする投資法です。

「グラフは短期的には上下するものだから」とかいう超適当な説明によって有利とされている記述を散見しますが、実際にドルコスト平均法が有利であるかどうかは株価の自己相関性次第で、これまでにはっきりとした自己相関性は認められていない(前日の株価の上下は翌日の株価の上下にあまり影響しない)ため、ドルコスト平均法は有利でも不利でもないわけです。

同じような理由で、レバレッジETFも「株価は上下運動をするものだから長期的には損をする」というような謎の説明がされることがあります。

レバレッジETFが、長期的に指標のx倍の運用結果を保証するものではない、という注意勧告はただしいですが、これをもって長期的には損をするとか、長期取引向きではないと言うことはできないでしょう。

ドルコスト平均法が損得についてニュートラルであるのと同様、レバレッジETFもニュートラルなはずです。

レバレッジETFのメリット・デメリット

冷静にメリットとデメリットを整理しておきます。

メリット

  • 株価が右肩上がりの上昇を見せた場合にはレバレッジ倍率以上のパフォーマンスを期待できる。
  • 株価が右肩下がりに下降した場合はレバレッジ倍率よりも小さな損失に限定できる。
  • 運用額を増やすことによってリターンを高めることができる。
  • NISA口座の無税枠を仮想的に拡張することができる。

デメリット

  • 先物取引と頻繁なリバランスにより経費コストが非常に高い。分配金もほとんど出ない。
  • リスク/リターン比が現物ETFよりも悪くなる。
  • 株価が上下運動を繰り返した場合には指標のパフォーマンスを下回ることになる。
  • 最悪、資産価値が限りなくゼロに近い額まで下落する可能性がある。

言ってることが半分被っているような項目もありますが、こんな感じでしょうか。

レバレッジETFの注意点は、やはり経費コストの高さであり、シャープレシオは低くなってしまうため、現物を買う余力のある人であれば通常のETFを買ったほうがいいでしょう。

レバレッジETFが選択肢となる人は、すでにフルインベストメントしているが、まだ投資額を増やしたいというリスク選好派の方です。

通常の米株長期保有では長期であればほとんどの場合は得をすると断言できますが、レバレッジETFは損をする確率も十分にあります。

あくまでポートフォリオのごく一部として採用し、リスクを限定した上で総投資額を増やすような運用が望ましいといえるでしょう。

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1 個のコメント

  • こんばんは
    レンジ相場は、確かにレバレッジETFは厳しいですね
    レンジが、長期間続くと、株価が減り続けるのはキツイ
    2049というETFを使うと
    不思議なことに、レンジ相場では、株価上昇し続けます

    僕が、今買っているのは
    2040と、2049ですね
    後は、FXにて、ドル円を毎日1通貨ずつ買っています

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    30代元システムエンジニア。 日本では経営学、アメリカで経済学や統計学などのビジネスを専攻。 趣味は株式投資からゲーム、音楽まで幅広く。 リンクフリーです、ご自由にどうぞ。