Direxion CURE 徹底分析 期待大のヘルスケアセクターに投資できるレバレッジ3倍ETF




Direxion CUREとは

S&Pヘルスケア・セレクト・セクター・インデックスの3倍の投資効果を指標として、レバレッジ投資を実現するためのETFです。

当サイトでは、ヘルスケアセクターに投資するためのETFとしてVHTをオススメしていますが、VHTとは追従するインデックス指標が異なっており、XLVと同じ指標がターゲットとなっています。

バンガード VHT 徹底分析 おすすめ度No.1のヘルスケアセクターETF

2017.09.03

保有上位銘柄

Johnson & Johnson (10.36%)、Pfizer(7.76%)、Gilead Sciences(5.77%)、Merck & Co(5.57%)、Allergan(4.52%)と続きます。VHT、XLVと比べるとギリアド・サイエンシズの割合が多いのが目を引くでしょうか。2015年頃までヘルスケア好きの投資家に選好されていましたが、それから下落を続けて現在はPERが8.68と割安な水準になっています。

セクター内産業サブグループの構成比率

医薬品がトップの34.69%、バイオテクノロジー27.88%、ヘルスケア・プロバイダー&サービス20.05%、ヘルスケア機器&用品12.65%、ライフサイエンス・ツール&サービス3.99%と続きます。

経費率

純経費率は0.95%です。レバレッジをかけているために普通のインデックス商品よりもだいぶ高いですが、レバレッジ商品としては妥当というところでしょうか。

レバレッジETFの注意点

このレバレッジETFは、レバレッジ商品の中ではかなりおすすめの商品なのですが、レバレッジETFという特性上、誰にでもおすすめできるわけではありません。

まずは商品説明ページの以下の注意書きの内容を理解しましょう。

レバレッジの利用はボラティリティを上昇させます。レバレッジ型ETFは、当営業日の運用目標を達成することを目指しており、2営業日以上離れた取引期間においては、対象指数に連動した値動きは期待できるものではありません。レバレッジ型ETFは全ての投資家に適している金融商品ではなく、その活用はレバレッジのリスクを理解し、投資資金を積極的に運用したいと考えている投資家に限定されます。

1日単位ではおおよそ対象指数に連動した(このETFなら約3倍の)値動きが期待できるが、2日営業日以上となると対象指数との間にズレが発生してきます。

こういったレバレッジETFの原理については過去の記事で詳細に解説しているため、必ずその性質を理解しておきましょう。

レバレッジETFを考える

2017.07.11

レバレッジETFは、本質的には逆ドルコスト平均法である

2017.10.25

シーゲル教授の研究成果

1999年、スタンダード&プアーズとモルガン・スタンレーにより開発されたセクター分類制度、GICS(世界産業分類基準)を制定しました。

その中のヘルスケアセクターは、10種類のセクターの中で第1位のリターンとなっています。

過去半世紀を対象としたシーゲル教授の研究では、ヘルスケアセクターと生活必需品セクターのリターンは突出しており、それぞれ13.76%、13.36%のリターンをもたらしています。

次の表は、S&P500の初代採用銘柄とその後継企業を、GICS分類に則って調査をした結果です。

各セクターの市場シェアの変化とリターン(1957年~2003年)

 セクター 市場シェアの

拡大(縮小)

実質セクター

リターン

金融 19.87% 10.58%
情報技術 14.71% 11.39%
ヘルスケア 12.14% 14.19%
一般消費財 -3.28% 11.09%
生活必需品 5.23% 13.36%
資本財 -1.13% 10.22%
エネルギー -15.68% 11.32%
電気通信 -4.00% 9.63%
素材 -23.06% 8.18%
公共事業 -4.81% 9.52%
S&P500 0% 10.85%

ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」より

シーゲル教授の研究成果で判明した事実としてひとつ、面白い点があります。

いくら市場シェアが拡大しているセクターであっても、それに対する期待が過大な場合はリターンに結びつかないということです。

この間、もっとも市場規模を拡大したセクターは金融セクターでしたが、リターンは平均程度にとどまっています。

新興国、新興セクター、新興企業などに投資する際には、常にそのことを頭にいれておく必要があるでしょう。

過去の実績

CUREの設定日は2011/6/15です。過去5年間の年率リターンは、なんと46.88%です。

レバレッジ商品は、上がったり下がったりの膠着した相場になると弱い一方で、2008年のサブプライム危機後のような右肩あがりの上昇相場においては格別のリターンを提供してくれます。

同じ対象指数にレバレッジをかけずに投資している商品であるXLVと各年の動きを比べてみましょう。

CURE XLV
2012 50.82% 17.37%
2013 164.80% 41.40%
2014 79.96% 25.14%
2015 7.42% 6.84%
2016 -17.46% -2.76%
過去1年 65.00% 19.90%

2013年の年間リターンが164.8%ってすごいですね。

100万円が1年で264.8万円になったということです。

こうしてみるとやはり、指標のパフォーマンスが低く、株価が上下した年には指標の3倍のパフォーマンスを下回っていますが、右肩上がりに伸びた年には指標の3倍以上の伸びを記録していることがわかりますね。

「株価は短期的には上下を繰り返すのでレバレッジETFは長期ではパフォーマンスが悪い」との通説が必ずしも正しくないことが伝わりますでしょうか。

当サイトのCURE評価

総合評価

期待リターン ★★★★★★★★
リスクの低さ ☆☆☆☆☆
経費コスト ★☆☆☆☆
将来予測 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

評価理由

CUREはレバレッジ商品という性質上、誰にでもおすすめできるETFではありませんが、比較的ディフェンシブなセクターにレバレッジをかけて高いリターンを実現している合理的な商品です。

当サイトの推奨ポートフォリオでは採用していませんが、リスク選好度次第では選択肢に入ると思います。

シーゲル流、日本人向けポートフォリオ

2017.02.20

学者たちの分析によれば、ウォーレン・バフェットが長期間、良いリターンを実現してきた要因はディフェンシブな株銘柄選択と、低金利の借入能力によるレバレッジであったといいます。

またシーゲル教授は、市場は完全に合理的ではなく、生活必需品セクターやヘルスケアセクターは過去の長期データにおいて低いリスクに対して高いリターンが実現されていたことを研究で明らかにしました。

それであれば、これらの低リスクなセクターに対してレバレッジをかけてリスクを高める代わりにさらに高いリターンを狙えるのでは?という発想に至るのは自然な流れであるといえます。

簡単解説!トービンの分離定理

2017.09.12

しかしながら、レバレッジETFはその特性から、一度でも暴落を経験すると回復が不可能になるレベルで資産価値が下落する恐れがあります(下落時には自動リバランスによって内部的に損切りが行われるようなイメージ)。

レバレッジETFは、本質的には逆ドルコスト平均法である

2017.10.25

いくらヘルスケアがディフェンシブなセクターであり、実際に2008年の下落幅が限定的であったからといってレバレッジをかけても安全であるとは言えません。

僕は基本的に、株の運用はシンプルにバイ&ホールドでいいと考えていますが、レバレッジETFの運用に関してはある程度の割安/割高を判断しながら取引するのが正当化されることもあり得ると思います。

それは暴落をしてもずっと保有していればプラスになるという保証がない点と、期待値がマイナスになるくらいの割高水準となったときは、税金や取引コストを超えて決済をしておくメリットが上回る可能性がある、というのが理由です。

とはいえ、それは短期取引をオススメするということではありません。

株式投資のもっとも根源的なリターンは時間×保有量によって実現されます。

これはレバレッジETFを運用するときも一貫して重要視すべき原則であり、短期の値動きを狙うようなゼロサムゲームをやる価値はありません。

基本的には長期的にホールドし、極端な割高水準になったときには保有額を減らすというのが現実的な解ではないでしょうか。

例えばシンプルにPERを基準にする場合は次のような過去の長期データを参考にすることができます。

 

当サイトの公式な立場

ROKOHOUSEでは、ほとんどの人にはやはりVHTを勧めます。

CUREの凄まじいリターンは魅力的なのですが、長期投資において重要なのはこうした美味しい話の誘惑に抗い続けるというメンタルです。

経費コストも高いので、リターンが高いとはいえリスクもそれ以上にあがっており、株式投資をする上で重要なリターン/リスク比を損なうことは大きな欠点です。

こうしたレバレッジETFが必要なる人というのは総資産のうちの株式比率を100%以上に高めたい人のみで、そのほかの人には通常のETFを保有するのをオススメします。

まあでも、こうしたレバレッジ投資のETFは自分で借金したときと違って暴落した場合も借金を負うことになるようなリスクがないことを考えると、一種のギャンブルとして捉えてもかなり割のいいギャンブルだよなという風に思いますね。

失っても構わないくらいの小口のお金でこのETFを買っておいて、宝くじを買ったような気分で数年後を楽しみに待ってみるなどの楽しみ方もできるのではないでしょうか。

僕はかなり好きなETFなんですが、その特性上あまり大声でオススメできないのがもどかしいですね。笑

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9 件のコメント

  • このETFを採用するなら、僕なら迷いなくNISAにいれますね。
    もちろん損をすることもありますが、期待値的にはそれがもっとも高いはずです。

    • ありがとうございます。SBIのNISA口座を保有していますが、買付手数料が無料なので、ちょこちょこ買付ていこうとおもいます。

  • 小額より、CUREで10年以上の長期投資を考えています。
    ブログの内容以外で、注意すべき点があれば、ご教示いただけないでしょうか。

    • たんまさん

      コメントありがとうございます。
      CUREへの長期投資で注意すべき点ということですが、まずはCURE単独への投資であればあくまで期待値の高いバクチであると割り切ってやることをおすすめします。
      ということで、一番気をつけていただきたい点はあくまで小額を投資するということです。ただし小額でも期待値がすごいので10年後であれば大きな利益が期待できます。

      実は先日、レバレッジETFを過去データでテストしてみたら1位はCUREだったというSeeking alphaの記事を読みましたが、
      https://seekingalpha.com/amp/article/4121068-best-3x-leveraged-etf
      ほとんどのETFの最大ドローダウンは90%を超えます。
      ただしうまくいけば指数的に利益を伸ばすことができるので、あくまで小額で割り切ってやる分には悪くない賭けだと思います。
      当サイトでこのような投資法を紹介している記事としてはこんなのもあります。
      http://www.rokohouse.net/archives/2312

      あとはアドバイスとしては、どうせなら現行NISA制度を活用してやると、うまくいったときの節税額がかなり大きくなるのでオススメといえばオススメですね。

  • ”管理人からのレスは期待しないでください”とのことでしたので、回答いただき、大変うれしかったです。
    また、ツイッターでブログに回答済みとのご連絡ありがとうございました。
    一攫千金という意味では、仮想通貨なんかに比べれば、米国のヘルスケア(=XLV)が今後も伸びることに疑いはなく、勝算が高いと感じました。
    長期での上昇が前提であれば、面白そうです。
    リスクとしては、米国大統領が薬価値下げを徹底的に実施するとか、アマゾンやグーグルの参入でしょうか。
    年内に少しだけ買ってみて、暴騰したら少し売るを繰り返すような運用を考えています。
    また、可変式ポートフォリオについては、自分にはスキルがなく難しそうです。
    また、あいにく、日本には住んでいないので、NISAは適用できないんです。
    あと、去年、BBHを買ってしまったのですが、おすすめのVHTにすべきでした。
    いずれにせよ、ヘルスケアにしか興味がありません。
    ありがとうございました。

    • たんまさん

      ブログの返信は期待しないでくださいと書いてるのは、管理人がめんどくさがりで気分屋なところがあるので、コメント返しを期待してコメントしてくれたのにレスをしなかったりすると申し訳ないかなというのがあります。いまのところ割とちゃんと返信してるんですけどね。笑
      おっしゃる通り、レバレッジETFというのはあくまで株式の指数がベースになっているので仮想通貨のようなゼロサムゲームとは別物だと思いますね。
      ヘルスケア分野はIT技術との親和性も高く、高齢化を考えても僕も最も期待しているセクターです。
      僕も小額CUREを買い持ちして遊んでたりしますし、ギャンブル枠としてはオススメできると思います!

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